ホーム > 業界新着情報 > 最新情報 > 続報!山口 防府市土石流 転がる巨石、ごう音・悲鳴 田園地帯は茶色一色に
転がる巨石、ごう音・悲鳴 田園地帯は茶色一色に

ゴーっという大音響とともに押し寄せた濁流や巨石が民家や施設を襲い、緑豊かな田園地帯を茶色一色に塗り替えた。記録的な豪雨に見舞われた防府市の山間部で21日、相次ぎ発生した土砂災害。土石流などが5人の命を奪い、逃れた被災者も衣服を泥だらけで救助を求めた。
▽「道が川 流れる丸太」 乳児や女性、ボートで救助
正午すぎ、同市真尾の佐波川支流沿いにドーンとごう音が響いた。土石流が特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」を直撃。土砂はガラスを突き破り、1階に押し寄せた。「上に避難して」。悲鳴が上がる館内で介護士の声が飛び交う。2階にいた入所男性(79)は「近くの道路は川のようになり、丸太が流れていた」と青ざめた。
ライフケア高砂では入所者の3人が死亡、4人が行方不明に。職員も含めた約90人が屋上で救助のヘリコプターを待った。ヘリで助けられた介護士男性(39)は1度濁流にのみ込まれたと言い、「死ぬと思ったが助かった。必死になって入所者を誘導した」と振り返った。
同じ真尾地区。約1キロ西の佐波川左岸に広がる集落や田畑も土石流に襲われた。民家がなぎ倒され、乗用車も次々と流された。一帯には4メートル四方の巨石群があちこちに転がるなど、エネルギーの大きさを物語る。
一帯の道路は寸断され、泥流の中でボートを使った救助活動が続いた。生後2カ月の長男とボートに乗った市内の公務員女性(34)は「父母と一緒に助けを求めた。この子を優先しようと私と息子が先にボートに乗った」。3キロ弱離れた避難所の小野小で乳児を抱きしめ、父母を待った。
小野小には次々と被災者が駆け付けた。「まちはパニック状態で孤立している」とある主婦(38)。自営業男性(57)は「朝方に透明だった川の水が昼ごろ、茶色に変わっていた」と変調に気付いていた。小野小近くの奈美地区の川でも1人の死亡が確認された。
被災者は市内の学校や公民館などに避難。ライフケア高砂で被災し、県立衛生看護学院に運ばれた女性(98)は「体が動かなかった。怖かった」と恐怖の一瞬を振り返った。
▽床上浸水・がけ崩れ 中国地方で相次ぐ
梅雨前線が停滞し19日から大雨に見舞われた中国地方は21日も、がけ崩れや床上浸水などが各地で相次いだ。
防府市を中心に大きな被害が出た山口県では21日、防府市で6棟が床上、89棟が床下浸水した。柳井市でも3棟が床上、44棟が床下浸水し、周南市では土砂崩れで民家が全壊した。山口市では浄水場が水没し、約3万2800世帯が断水した。
広島県では廿日市市友田でがけが高さ約6メートル、幅約15メートルにわたって崩れ、民家の一部を壊した。県によると、21日までに床上浸水は広島市中区で2棟、床下浸水は三次市、安芸太田町などの8市町で計18棟に上った。
三原市大和町では21日、自動車部品製造会社に隣接する斜面が崩れて駐車場の10台が土砂に流され、うち1台が近くの前谷川にのみ込まれた。
島根県では20日、雲南市大東町で崩れた土砂が民家に流れ込んで1棟を半壊。21日までに益田市など8市町の76棟で床下浸水の被害が出た。
中国電力によると、広島、山口県で21日、約3万8900戸が停電。同日午後8時現在、山口、宇部、防府市の計約720戸が停電している。
【写真説明】
<上>記録的豪雨で土砂が流入し、泥水が流れ出す特養ホーム「ライフケア高砂」の玄関付近(21日午後7時25分)<下>3人死亡、4人の不明者が出た「ライフケア高砂」から西へ約1キロの集落も土石流で田畑が埋まり孤立。ボートで住民を救出する消防署員(21日午後4時10分)

著者名/中国新聞ニュース 転がる巨石、ごう音・悲鳴 田園地帯は茶色一色に
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200907220125.html
最終アクセス2009年7月22日
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