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介護施設で老いを考えた:/40 ケアハウス/3 /宮崎
◇入居費滞納に施設側不安
入居者には比較的低料金で利用できるケアハウスだが、施設側は「入居費をきちんと支払ってもらえるのか」という不安を抱えている。
というのもケアハウスは、介護施設とは違い、原則として自立した高齢者が相手だからだ。
介護施設の場合、介護保険の審査で介護度1から5までの「要介護」と認定されなければ入所できない。「要介護」になれば、介護施設利用料の本人の手出しは1割で、残りの9割は介護保険から施設側に支払われる。利用料が回収できなくなる恐れは少ない。手出しの1割も、本人の年金などから支払われる。
だがケアハウスの場合、入居費の全額が本人の手出しだから「家賃の滞納」という事態も起こり得る。しかも滞納したからといって、高齢者を無慈悲に退去させるわけにもいかない。宮崎市高岡町の辰元グループは入居の際に30万円の一時金を取るが、その背景にはこうした事情がある。
ケアハウス側は高齢者向けのサービスに努めているとはいえ、本格的な介護体勢までは備えていない。入居者の高齢化が進んで、認知症になったり、脳卒中や骨折などで本格介護が必要な身体になれば、ケアハウスを退去せざるを得なくなる。
その場合、同じ経営系列の介護施設の空きベッドを紹介してもらいやすいという意味で、ケアハウスに入居しておく利点はある。一方、施設側にとっても、そのまま自身が経営する介護施設への転居を勧めやすい。本人の身上も性格も健康状態も知っているからだ。しかもそれ以降は、利用料の9割が介護保険から出るようになるので、滞納の不安はなくなる。
ただし、これらの利点は、辰元グループのように、さまざまな介護施設を経営していればこそ可能なことだろう。単独で運営されているケアハウスへ入居する場合、どんな介護施設と提携しているのか、チェックするのも一つの方法だ。
辰元グループのケアハウスには生活保護で暮らしている入居者もいる。生活保護費は行政から確実に支払われるから、滞納リスクはかえって少ないという。さすがに一時金の30万円は支払ってもらえず、話し合いのうえ分割払いにしている。
生活保護を受けるほど困窮してはいないが、少額の年金しか収入のない入居者の方が、実は生活は苦しい。このケアハウスなら年金だけで暮らせるが、ギリギリの生活となる人もいる。小遣いは残らず、持病の治療費にも困りがちになる。
生活困窮者の入居先の一つには、行政が福祉政策の一環として運営する「養護老人ホーム」がある。経済的な理由で入居する施設なので、自治体の福祉担当者による収入についての細かい審査がある。こちらの施設の利用料の方が安いので、入居者の小遣いはかえって残りやすいといわれる。
著者名/毎日jp 毎日新聞社 介護施設で老いを考えた:/40 ケアハウス/3 /宮崎
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20090801ddlk45100697000c.html
最終アクセス2009年8月3日
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