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<運動器症候群>高齢化で対象者急増 4700万人の推定も リハビリに改善効果
09/08/11 【最新情報

<運動器症候群>高齢化で対象者急増 4700万人の推定も リハビリに改善効果

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女性の平均寿命は世界一、男性も過去最高を更新し続ける日本。一方で介護を必要とする人の増加は深刻で、自立して生活できる健康寿命とのギャップをどう埋めるかが課題になっている。こうした中で、動作や歩行を支える骨、筋肉などに着目した新しい概念が提唱された。名前は「ロコモ」。正しく理解して、介護の予防につなげよう。

不安定な円板の上でバランスをとる男性、片脚立ちする女性...。浜松市の藤野整形外科医院 に併設された介護リハビリ施設で、10人ほどのお年寄りがトレーニングに取り組む。「手すりの助けがいらなくなってきたね」と、藤野圭司院長が声を掛ける。ゴムバンドやステッパーなどを使ったさまざまな筋肉トレーニング、人によっては電気治療やマッサージも組み合わせ、1時間半ほど。藤野さんが力を入れる「ロコモ」の人たちへの介護予防メニューだ。
 ▽痛みなく進行も
 ロコモの正式名称は「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」。体の活動を担う筋肉や骨格、神経系などの総称が運動器で、この障害によって介護が必要になったり、危険性が高まったりした状態を指す。
 「足腰が弱くなって転倒や骨折の危険性が高くなった状態と考えてもらえばいい」と藤野さん。父親の代から40年以上続き、かつては入院治療や手術もしていた医院がリハビリに軸足を移した背景には、高齢化の進展に伴う要介護者の急激な増加があるという。
 要介護認定を受けた人は2000年4月の約218万人からことし1月には約464万人に。要支援1から要介護1までの軽度の要介護者は約2・4倍に増えている。原因の割合で多いのが関節症や骨折・転倒などの運動器疾患だ。
 ロコモの主な要因は、関節の軟骨がすり減って炎症を起こし、関節が変形する変形性関節症や、骨粗しょう症、背骨の中を通る脊柱管が狭くなって神経が圧迫される脊柱管狭窄症など。痛みなどがなくても少しずつ進む場合が少なくない。
 ▽合併
 こうした骨関節疾患の現状把握がロコモを考える上で重要だと考え、大規模な疫学研究を行ったのは、東京大病院 の吉村典子・特任准教授ら。変形性膝関節症と変形性腰椎症、骨粗しょう症の三つの病気について、和歌山県の山村と漁村、東京都市部の3地域の住民計約3千人に詳細な検診を実施した。
 得られたデータから日本人全体での頻度を推定したところ、40歳以上で三つの病気のいずれかを持つ人は男性の84%、女性の79%。70歳以上になると男女とも95%以上に及ぶとの結果が出た。日本の人口に当てはめると計4700万人になる。
 「三つの病気すべてを合併している人も540万人。40代からの効果的なロコモ予防対策は重要な課題」と研究チーム。
 ▽連鎖断ち切る
 藤野さんは、医院のリハビリ施設や自宅でトレーニングに取り組んでもらった65歳から90歳のロコモの人たち88人の半年後の状態を、日本整形外科学会で発表し注目された。
 対象者の中では介護の必要性が最も高い要介護1の8人は、悪化はゼロで全員が改善か現状維持。次に高い要支援2の91%、最も低い要支援1の77%も改善か現状維持だった。片脚立ちの継続時間は右脚で3・2秒、左脚で0・6秒、それぞれ延びた。
 藤野さんは「医療・介護の関係者にすら『年だから』で済ます人が少なくないが、筋力とバランス力の衰えを適切なリハビリで防ぐことで、実際に効果が上がることが確認できた」。
 150日以上の運動器のリハビリは介護保険の枠組みでないと行えない。施設の不足なども全国的な課題だが、藤野さんは「足腰が弱ると転倒や骨折をしやすくなる。その恐怖から外出を控えて閉じこもりになり、運動不足になってさらに危険性が増す。この連鎖を断ち切らないと、要介護者は増えるばかりだ」と訴えている。

 

著者名/47NEWS

<運動器症候群>高齢化で対象者急増 4700万人の推定も リハビリに改善効果

http://www.47news.jp/feature/medical/2009/08/post-134.html

最終アクセス2009年8月11日

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