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障害者施設に希望 ギョーザ製造販売 山形
世界的な不況に明るさが見えてこない中、施設で作業の訓練などを受けている障害者は、仕事の減少や工賃の低下などで、厳しい状況に追い込まれている。山形市内のある施設では、少しでも収入を増やそうとギョーザの製造販売をスタート。地元の住民や企業の反響も大きく、滑り出しは順調という。まだ十分でないが、こちらは少し光が見え始めたようだ。(本間篤)
山形市城西町の社会福祉法人「手をつなぐ会」(佐々木良子理事長)が運営する「ワークランドべにばな」。比較的軽度の知的障害者を対象に手仕事などを訓練する「就労継続支援B型事業」と、やや重度の人を含めた日常生活を支援する「生活介護事業」のサービスを提供している。現在、20~30代を中心に約50人が通っている。
施設長の木村弘美さん(49)によると、主に自動車のプラスチック部品の折もぎ、段ボールの組み立てといった簡単な仕事を企業からもらい、分担して作業してきたが、1個20~30銭の世界。黙々と続けても時給換算で数十円にしかならない。そんな仕事も不況の影響で半分、3分の1と減り、昨年秋から冬にかけて収入が激減した。
障害者自立支援法で、福祉サービスの利用が一律負担となり、その後、軽減措置がとられたものの、障害者の収入は原則として障害年金と作業の工賃に限られる。工賃が減れば、当然、サービスの利用負担が重くなる。ワークランドべにばなでは、通わなくなる人も出てきたという。
ギョーザ作りに行き着いたのは、こうした逆境の中でのことだった。
「収入を増やすには、食べてなくなるものが一番いいと前から考えていたが、ギョーザなら特徴が出せるし、長く続くと思った」と木村さんはいう。
ただ、障害があるので複雑な作業はできない。野菜をカットする機械や皮に具を詰める機械をそろえ、試行錯誤を繰り返しながら試作を重ねた。施設周辺は住宅街なので、試作品を無料で提供してアンケートを取り、オリジナルの味を模索した。
そうしてオープンしたのが4月6日。施設の1階にしつらえた「手づくり餃子の店 べにいろ亭」は、家族や近所の人たちでにぎわった。「驚いたのは、座りっぱなしの組み立て作業などと違って、ギョーザ作りだとみんな生き生きしていること。お客さまと接して会話もできるので楽しそう。雰囲気が明るくなりました」と、木村さんの表情が緩む。
「べにいろ亭」のギョーザは材料をすべて国産に限定した。工夫をこらしただけあって「おいしい」とたちまち評判になり、車などで買いに来る人もひっきりなし。市内のあるスーパーでは、商品として店内で販売してくれているほど。
ギョーザ作りは通所者5人に職員が1人ついて1日中行っている。ギョーザは材料費を差し引いても、下請けの単純作業に比べて段違いの収益を上げる。
それでも1日の売り上げは平均1万円前後で「生活していけるレベルからはほど遠い」と木村さん。厨房(ちゅうぼう)や機械、冷凍庫といった初期投資も、ほとんどが施設側の負担だ。
「買いに来てくれる人を待つだけでなく、こちらから足を運んで売り込むことも必要」と、木村さんはあくまで"攻め"の姿勢を貫く。8月に入って初めて、通所者自ら企業への売り込みにも挑戦した。「将来は移動販売車を購入し、企業やイベント会場に出かけて、焼いたものを販売できれば」
また、味に飽きが来ないようにと、夏季限定でトマトチーズのギョーザを開発した。秋にはキノコを使った季節メニューを考えるという。
通所者のほとんどは親と同居しているおかげで何とか生活できているが、将来独り立ちすることになれば、もっと安定した基盤が必要になる。ギョーザ作りで「下請けからの脱却」はひとまず達成したが、「あくまで区切りということで、終わりはありません」。木村さんの思いはずっと先まで見据えている。
【会社概要】ワークランドべにばな
昭和60年に小規模作業所「べにばな作業所」として、通所者3人でスタート。平成19年の社会福祉法人化に伴い、改称した。施設は当初から山形市が所有する建物を利用。県の補助などによって今春、改修工事が終了した。「べにいろ亭」は毎週月~金曜日の午前11時~午後5時に営業。ギョーザは12個入り350円(トマトチーズは400円)、30個入り800円(同900円)。すべて冷凍食品。問い合わせは、(電)023・644・1132。
著者名/Microsoft MSN 産経ニュース 障害者施設に希望 ギョーザ製造販売 山形
http://sankei.jp.msn.com/region/tohoku/yamagata/090811/ymg0908110250000-n1.htm
最終アクセス2009年8月11日
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