ホーム > 業界新着情報 > 最新情報 > 社説:雇用対策 介護起業のすすめ
1円で起業が出来る、という話が話題になりました。
2003年の法改正により、承認を受ければ誰でも社長になれる時代。
介護の世界でも同じです。
雇用不安が叫ばれている中、政府は一部のハローワークに年末の雇用不安対策としてワンストップサービスの試験導入など行っていますが、今、一番需要がある母体は介護・医療である事は周知の事実です。
もちろん、この制度自体が正式に稼働すれば今後の雇用対策への期待は高まりますが、一方で介護・医療職員の待遇改善が早急に行われれば、就職の窓口は大きく広がると思います。
一企業ですら、慣習を見直すのは多くの労力を使います。ましてや一国ともなると、その努力は想像を絶するものでしょう。私たちが何かをすることで変えられるものがあるかもしれません。
年末も近づいてきています。
一度、今年の見直しと来年の抱負を介護・医療の視点から考えなおしてはいかがでしょうか。
失業率は3カ月連続で若干の改善を見ているが、雇用情勢は相変わらず厳しい。来春卒業予定の大学生や短大生の就職内定率は低く、高校生の3人に2人はまだ就職先が決まっていない。年越し派遣村の当時よりも状況は深刻ともいえる。
有効求人倍率が0.44倍(10月)という中で、やはり大きな受け皿として期待されるのが医療や介護である。特に介護現場では慢性的な人手不足に陥っている事業所が多い。いや、急速に進む高齢化に対して介護施設・事業所そのものが不足しているのだ。政府は職業訓練に力を入れ、介護福祉士らの養成学校は訓練生であふれ返っているが、思ったほど就職に結びついていないという。訓練中は失業手当を延長して受けられ、雇用保険未加入でも生活手当をもらえるため、働く気のない人の避難場所になっているというのだ。
しかし、介護を敬遠する理由としては、全産業平均の6~8割程度という給料水準の低さを挙げざるを得ない。民主党は公約である介護従事者の待遇改善を優先的に実施すべきだ。また、学校やハローワークで「介護の仕事は大変だ」と求職者にブレーキをかける傾向があるともいう。たしかに楽な仕事ではないが、介護を通して得られる感動や専門性に魅力を感じて働き続ける人はたくさんいる。食わず嫌いでいるよりも、まず飛び込み、試用期間中に自分に合っているかどうか見極めてもいいではないか。慣れない人を受け入れる介護事業所は大変かもしれないが、国全体が陥っている雇用危機を救うのは介護しかない。介護をこの国の主産業にする覚悟で臨んでほしい。
支援の質よりも経営を優先する事業所が増え、それに失望して良質な職員がやめていくケースも多いという。こういう人には自ら起業することを勧めたい。訪問系サービスや宅老所ならば多くの準備資金は要らない。20~30代の若者や企業を定年退職したシニアが狭い事務所や民家を借り上げて介護NPOを設立するケースはいくらでもある。苦労はするだろうが、安定して顧客(高齢者)が増え続けていく成長分野でもある。政府が現在検討している雇用対策には介護を担うNPOの創業支援を柱として盛り込んでもらいたい。
わが国の高齢化率はいずれ40%にもなる。過疎地の限界集落だけでなく、都心部でも高齢者ばかりの団地やマンションが増えてくる。どれだけ施設をつくっても追い付かない。町内全体が特別養護老人ホームのような状況になるのだ。国民全員がヘルパー2級資格を持ち、どの町にも小さな介護事業所がたくさんあるくらいにしないと対応できないのではないか。発想の転換が必要だ。
著者名:毎日新聞社 社説:雇用対策 介護起業のすすめ
http://mainichi.jp/select/today/news/20091129k0000m070099000c.html
最新情報:2009年12月1日
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