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介護に疲れによる犯罪があとを絶ちません。
今回、岐阜県関市で介護疲れにより母親を殺害した男性の評決が言い渡されました。
裁判員の方々は「自分に置き換えて考えると、はたして何が一番いい結果なのか、分からなくなってくる」と本当に頭を抱えたそうです。
ただ、ひとつ言えるのは、母親、自分、社会、全てが満足いく結果が必ずしもあるわけではないという事。殺害を犯してまで、一人で抱え込むのは決して正しいとは言えません。
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関の介護殺人に懲役4年 裁判員裁判「早まった行為」
岐阜県関市で昨年7月、ほぼ寝たきりの母親=当時(83)=を殺害したとして殺人罪に問われた同市仲町、自転車修理・販売業野沢伸一被告(61)の裁判員裁判で、岐阜地裁は5日、「殺害以外に取るべき方法があり、あまりに早まった行為」とし、懲役4年(求刑懲役6年)を言い渡した。
田辺三保子裁判長は判決で野沢被告について、脳出血による左半身のしびれという障害を抱えながら「献身的な介護を長年続けてきた」と評価し、「自覚しないまでも介護疲れがたまっていたことが犯行の背景になった」と指摘。「自分が介護の負担から解放されたいという気持ちと同時に、(持病のリウマチが悪化して)苦しむ母親を楽にしてあげたい気持ちからでもあった」と犯行の動機を述べた。
その上で、介護負担を軽減させる介護サービスや施設の利用を野沢被告が拒み続けていたことに対し、「(他人による介護をいやがる)母親の反対を押し切ることをしなかったのも分からないではない」と理解を示した。
ただ、事件の1週間前に母親の病状が悪化し、凶行の引き金となったことについては「母親の言いなりで、ほかにとるべき方法が思い浮かばなかったのだろうが、客観的に見れば、意に反してでも病院に連れて行くべきだった」と指摘。
母親が「死にてえ」と漏らしたことも「必ずしも死を望んだとは言い切れず、苦痛を分かってもらいたいという身内への甘えや愚痴の範囲にとどまる可能性が多分にある」として、「(事件を回避する)他の方法は多々あったのに、犯行に及んだのはあまりに早まった行為」と断じた。
弁護側は介護疲れによるやむにやまれぬ犯行だったことや、刑の減軽を求める約7600人の嘆願書が集まっていることなどから執行猶予を求めていた。
判決によると、野沢被告は昨年7月25日、自宅で寝ていた母親の首を絞めた上、モンキーレンチで数回殴って殺害した。
判決について浦田益之弁護士は「介護経験がある人もない人もいる。違う裁判員なら判決もまた違うでしょう」とコメント。控訴については「(野沢被告が)2週間考えたいと言っている」と話した。
岐阜地検の石崎功二次席検事は「介護が引き起こしたのではなく、いわゆる社会問題としての"介護殺人"とは別問題」とし、「健全な市民感覚が反映された」と判決を評価した。
誰の身の回りにも起こり得る「介護」を背景とした殺人事件。判決の最後に田辺裁判長は「裁判官と裁判員が知恵と経験、頭、心を合わせて考えました」と述べた。
判決後の会見では、裁判員が複雑な心情を吐露。3年前に野沢被告と同じ脳出血で倒れた女性裁判員(64)は「自分が(被告と)同じ立場だったらどうしよう」と、わが身に置き換えて審理に臨んだという。介護経験はないが「疲れやすかったりだるかったりする。(そんな身で)介護するのは大変だろう」と同情する半面、殺害という結果の重大性とどうバランスをとるか「本当に難しかった」と漏らした。
被告人質問で「施設で介護されるのとあなたに殺されるのと、母親はどちらを望んでいたと思うか」と厳しい質問を投げかけた男性裁判員(24)は、愛していたはずの母をなぜ殺害したのか、心情や動機の解明に「すごく時間をかけて評議した」と明かした。
嘆願書の発起人で、地元の民生委員として野沢被告方を訪れていた一色喜代子さん(61)=岐阜県関市=は「予想より重い判決になり残念。裁判では、犯行の残酷さばかりが強調されていて、証人として、被告の人柄にもっと踏み込んだ証言ができなかったか悔やんでいる」と述べた。
一方で「社会が介護をめぐる問題に真剣に向き合うきっかけになった。法廷で見た被告が、生きることに前向きになってくれていてうれしい」と話した。
著者名:中日新聞社 関の介護殺人に懲役4年 裁判員裁判「早まった行為」
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010020602000172.html
最終アクセス日:2010年2月11日
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