ホーム > 業界新着情報 > 最新情報 > 入れ歯に名前好評 県歯科技工士会刻印、無料サービス
少しユニークなサービスを発見しました。
高齢者の方にとってとても大切な入れ歯。しかしこの入れ歯、当然ですが他の人のものと一緒になってしまったら見分けがつきません。入れ歯がないと食事が出来ず、栄養摂取の妨げになってしまうなどの問題もあり、介護の現場では問題となってしまいました。
そこで始まったのがこのサービス。
入れ歯に名前を刻印を入れて、誰のものか管理するサービスです。
施設の方にとって、これは画期的なアイディアではないでしょうか。
今回の記事は千葉県での取り組みをご紹介していますが、富山県、愛知県でも同様の取り組みは行われているそうです。
悩んでいた介護職員の方、一度ご検討されてはいかがでしょうか。
世界でひとつだけの入れ歯――。高齢者の入れ歯に名前を刻印するサービスが、県内で話題を呼んでいる。県歯科技工士会(岩井良一会長)が1998年から社会貢献活動として無料で提供しているもので、介護施設などで重宝がられている。
今月中旬、大多喜町新丁(しんまち)の特別養護老人ホーム。約15人の歯科技工士が、真剣な表情で電動カッターを手にしていた。入れ歯の口蓋(こうがい)の部分を削り、名前を書いたテープを埋め込む。さらに、アクリル樹脂で上からふたをすれば完成。所要時間は1個につき30分ほどで、作業開始から約3時間で、入所者約30人分の入れ歯約60個に、小さな文字が入った。
サービス導入に尽力した県歯科技工士会の大竹勇さん(68)によると、「入れ歯を削って名前を入れると言うと、まずは驚かれる」のだという。しかし、高齢者介護の現場では、入れ歯の取り扱いは頭の痛い問題だった。
大竹さんは地元の栄町で民生委員を務めていた97年、知人の見舞いで老人ホームに出入りし始めた。そこでは、入れ歯をなくしてしまう入所者がいれば、人の入れ歯を集めてしまう認知症の患者もいた。厄介なのは、入れ歯が誰のものか判別できないことだった。そして、入れ歯を失うと、流動食しか取れなくなり、体が衰弱してしまうこともある。
このため、大竹さんは、同会所属の歯科技工士に呼びかけ、ボランティアの取り組みを始めた。今では、毎年、県内の介護施設数か所から出張サービスの要請があり、大竹さんら有志の歯科技工士は、名前に使われている旧仮名や旧漢字も出来る限り再現するなど、「世界でただひとつの入れ歯」(大竹さん)の製作に余念がない。同様の取り組みは、愛知県や富山県の歯科技工士会などでも行われており、全国的に広がりを見せているという。
入れ歯に名前が入ると、万一の際の高齢者の身元特定にも役立つ。日本歯科技工士会(東京都新宿区)には全国の警察署から、身元不明遺体についての照会が頻繁に寄せられている。入れ歯の形状などから身元が判明する場合があるためだ。このため、大竹さんらは、千葉の都道府県番号である「12」も、名前の横に入れることにしている。
同ホーム職員の細谷久子さん(56)は「毎日、入れ歯を洗浄する際は、入れ歯を取り違えないよう気を使っていた。これで一安心」と話す。名前の入った入れ歯を着けた入所者の田辺和さん(79)は「こんなサービスがあるとは初めて知った。目が不自由なので名前を見ることはできないが、これから先、安心です」と顔をほころばせた。
「我々歯科技工士にしかできない社会貢献と思う。これからも呼ばれればどこへでも駆け付けたい」と大竹さん。
ボランティアに関する問い合わせは、県歯科技工士会(043・244・4105)まで。