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成年後見制度
09/05/21 【最新情報

成年後見制度

 

2000年4月にスタート。判断能力が不十分な人の権利を守る援助者を選び、法的に支援する。最高裁によると、07年度の申立件数は、2000年度の約2.8倍の2万4988件。本人、親族、市町村長などが申し立て、家裁が選ぶ法定後見、判断力がある本人が選ぶ任意後見がある。法定後見には「後見」より権限が弱い「保佐」「補助」もある。後見人の7割超は身内で、残りは弁護士、社会福祉士などの専門家が大半を占める。福岡県では県司法書士会の「成年後見センター・リーガルサポート福岡支部」が早くから活動中だ。

 

判断能力が不十分な人を守る 成年後見制度 転換期に 人材不足...地方で活用進まず 「市民後見人」広がる期待

認知症や知的障害、精神障害により判断能力が不十分な高齢者などを保護、支援する成年後見制度が10年目を迎えている。高齢化に伴い利用が増える一方、人材難などの課題もある。制度の現状と今後を探った。

■契約の取り消しも

昨年、福岡市近郊の町で、認知症で入院中の70代男性への経済的虐待が発覚した。医療費の支払いが滞り、調べると多重債務に陥った妻が男性の年金を返済に充てていた。自治体の申し立てで、福岡家裁は福岡県弁護士会の高齢者・障害者総合支援センター(あいゆう)所属の弁護士を後見人に選定した。
 
 「後見人は本人の財産管理、法的行為の代理をし、不利な契約の取り消しもできる」。あいゆう運営委員長の篠木潔弁護士は説明する。制度は、本人の財産管理、身上監護をし、虐待や悪徳商法被害を防止、身寄りがない認知症高齢者の支援など安心を確保する。
 
 その対応は、一様ではない。同県社会福祉士会が設ける「ぱあとなあ福岡」が担当した同県宗像市のケース−。高齢の母親が事故死し、残された50代の息子には知的障害があった。後見人が知らないうちに、必要がない宝石を何個も購入していたため契約解除に奔走。だが、本人は「せっかく買ったのに取り上げるな」と怒った。
 
 「住み慣れた地域で、自立して老後を送るには残された資産を管理する必要があるのに...」。担当者は業務の難しさを語る。

■申し立てに10万円

介護保険制度で、福祉サービスが措置制度から契約になるのに合わせて、成年後見制度は導入された。
 
 都道府県の社会福祉協議会が、契約で高齢者の福祉サービス支援、金銭管理をする日常生活自立支援事業もほぼ同時期の1999年4月に始まったが、後見制度のような法律行為は行えない。同事業と後見制度が補い合い、本人の判断力の衰えに従って、後見へ移行する必要性が指摘されている。それも、スムーズに進まないのが実態だ。
 
 長崎県の大村市社会福祉協議会が厚労省の社会福祉推進事業の補助を受けて行ったアンケートから、その理由が浮かび上がる。昨年末から今年1月、同県内の地域福祉権利擁護センター、地域包括支援センター55カ所に郵送で行った調査(回収率60%)では、移行が進まないのは(1)適切な申立人がいない(2)後見人の人材不足−などが原因との意見が多かった。「必要だが後見制度の利用に結び付けられない」との回答は、実に77.6%。「申し立て経費には約10万円が必要。地方ほど弁護士、司法書士、社会福祉士という専門家がおらず後見人が確保できない」(同社協)という。
■北九州市で新組織

解決策の1つとして期待されるのが、市民が役割を担う市民後見人だ。北九州市では今年4月、1年間の研修を経た市民16人が働く権利擁護・市民後見センター「らいと」が設けられ、同市社会福祉協議会の運営で第一歩を踏み出した。
 
 市民後見人は、団塊世代の生きがいを創出し、ボランティア精神による細かな見守りが期待できる一方、不正防止、被後見人に財産がない場合の報酬などが課題。
 
 「らいと」では、弁護士、司法書士、医師、社会福祉士などで構成する運用委員会や専門家のアドバイザーを備え、監視委員会が定期的に業務チェックする。後見などの受託は「らいと」が法人として契約。市民はパート雇用にすることで、個人への負担感を軽減した。北九州市から本年度は1015万円が補助される。「後見人への信頼性や報酬確保が担保され、日常的な見守り活動が可能」(江藤みどり・「らいと」次長)だ。
 
 ただ、自治体ごとに財政事情は異なり、北九州市の取り組みが必ずしも他地域に適用できるわけではない。後見制度を生かして、どれだけ安心を提供できるかについては、各地域ごとの工夫、力量が必要となっている。

 

著者名/西日本新聞  成年後見制度

http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/6544/

最終アクセス2009年5月21日

 

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